聖パウロ学園・パウロの森くらぶ
4月第一水曜日定例活動
2019413日(水) 曇り
場所: パウロの森(聖パウロ学園高等学校の学校林)

 ヤマザクラが咲き、コナラの柔らかい新芽が萌え出したパウロの森で4月の定例活動を行いました。


 作業前のミーティングで参加者と作業内容の確認、準備体操、安全注意を済ませ全員でハチトラップ設置作業を行いました。ペットボトルに窓を開け、日本酒、グレープジュース、酢、砂糖を混ぜた誘引剤を入れて、広場周辺の木に吊るしました。その後4つの班に分かれて、「椎茸圃場の整備」「西尾根道の整備」「危険木の処理」「草木染の試行」作業を実施しました。

 椎茸圃場の整備作業は、間伐材を利用して作った杭を打ち、横木を固定した榾木立てを2ヶ所作り、3月に植菌した榾木を並べました。来年の秋以降の収穫が楽しみです。西尾根道の整備作業は山道に積もった落葉の除去、危険木と枯損木の処理を行いました。危険木の処理作業は、昨年9月の台風で根返りし掛り木になったコナラの大木(2株、幹3本、直径35cm、樹高25m)をチェンソーで伐倒・切断処理しました。傾いた広葉樹の伐倒なので、幹割れ防止処置と追口の外側を残して切る技術を使って伐倒しました。草木染の試行は、スギの葉っぱと皮を刻んで煮だして染液をつくり、アルミと鉄媒染で染めました。

 昼食時は温かい豚汁と食後の淹れたてのコーヒーを楽しみました。午後は、春の植物調査を行いました。パウロの森を5班に分かれて5つのコースを歩き、観察できた植物(木本、草本、藤本)を記録しました。樹木は葉っぱを広げていないので、樹種の同定に苦労しましたが、春の芽吹き出した森を楽しみながら歩いて調査しました。2名の初参加者から「大変勉強になった」との感想がありました。

 パウロの森は、林床や芝生広場で色々なスミレが咲き競い、クロモジやウグイスカグラが花をつけ、ガマズミ・ハナイカダ・ツリバナ・ウリカエデが蕾をのぞかせ、コナラやクヌギの梢がポワーッとし始めて、万物萌え出る季節を迎えています。 


 参加者:家、池田、伊藤、稲葉、猪瀬、入江、小川(和)、上林、岸本、小勝、小林(槇)、清水、代田、瀧浪、中川原、長岡、林、廣川、前田、槙田〔報告・写真〕、水木、望月、森田


【ハチトラップ作り】 酒と酢と砂糖を混ぜた(美味しい)誘引剤

【西尾根道の整備】 熊手で尾根道の落ち葉を除去

【ウリカエデ】 新芽と蕾〔ウリカエデ〕

【シイタケ圃場の整備】 間伐材を利用した杭と横木で整備

【根返りコナラの処理】 斜めになったコナラを慎重に伐る

【クロモジ】 葉っぱと蕾がほころぶ


聖パウロ学園・パウロの森くらぶ
4月第三土曜日定例活動
2019420日(水) 曇り
場所: パウロの森(聖パウロ学園高等学校の学校林)

何かを収穫・捕獲する前の高揚感は、人を饒舌に笑顔にするもので、満員のバスから降りたった面々は、賑やかに足取りも軽く、いつもの道に目を凝らし、地面に張り付くようにして、手に袋・スコップ・ハサミ、獲物に目を光らせる。

 

 「植物を傷めないよう、採り過ぎないように」

 「いっぱい採っても、どうせ食べ切らんぞ~」

 「旨いもんだけ採ろう!」

つい先程、若菜を歌った萬葉集に親しんだ雅な気持もきっと胸のどこかに…。

 

 

初参加の私は、天ぷらを食べられなかった先輩の恨み節も伺っていたので参加者の人数分だけ集めていたが、結局そんなに沢山揚げる時間も鍋も火も足りないことが後で分かった。やはり経験者の話は聞くものだ。


  パウロの芝生広場の朝採りを茹でる、これが一番!    コック長の指示で、アウンの呼吸で動く


パウロの森に到着後、トリカブトが生えている場所に行き、ニリンソウ、イチリンソウ、トリカブトを並べて、さて、どれが食べられるものかと参加者に選んで貰ったが、天国に行けそうな人が続き、FIT大丈夫なのか…(涙)?その後、ちゃんと講師が説明してくださったので、先ずは安心安心。

 

続いて第一広場のブルーシートの上で収穫の選別とお掃除。ノビルをその後見かけなかったのは、もしかして皮を剥き次第、お口の中へ消えた?興奮して乾いた喉に香り高き「クロモジ茶」が沁みる。

 

いわゆる「山菜」として美味しく食べたことがあるようなものよりも、「えっ、こんなものが美味しいの?」

という驚きのある「野草」の方が好評であることも知った。ここでの天ぷらは、ハルジオン、カラスノエンドウ、タンポポ > タラノメ、フキ、ヤマウコギなのだ。今年は油の温度に留意し、衣のとき加減、揚げ終わりの油切りもきちんとしたので、「もたれた~」と言う声は聞こえなかったように思う。

 

毒草トリカブトに類似のニリンソウは、食べられると言ってもキンポウゲ科、一抹の不安と可愛い蕾を摘んだ後ろめたさを感じながら口に運ぶと、微かな苦みとシャキッとした口当たり。もう少し沢山食べてみないと、北海道民の愛する美味しさまでは掴めなかった。


    パウロのサンショウ葉の木の芽味噌           コック長の心のこもったデザート


柔らかく濡れたように光るナガバノスミレサイシンの新葉は甘くて旨味もあり、来年はもっと食べたいな・・・沢山の株から少しずつ集めてみようかな。

 

ハナイカダは、お浸しにするとスウッと鼻に抜ける良い香り。松茸の香りと言われるとか?天ぷらでは、折角の香りが飛んでしまい、ちょっと勿体ない。

 

筍堀&処理班は7本の筍を収穫。あく抜きナシの茹で立てホヤホヤの筍は、エグミが少し残るものの、それがまた春の味で好もしい。

 

シェフ率いる調理班の、抜群に美味しい「筍と椎茸のお寿司」は、上に散らしたオオアラセイトウの紫の花が映えて目にも美しいご馳走だった。大量の山椒葉を擂り潰して拵えた木の芽味噌の香りが漂い、それだけで一杯飲めそうな・・・。天ぷらを揚げるのに忙しく、余り色々試せなかったが、他にも色々な和え物の調味が並んでいたようだが、全部は味見できず心残りだった。

 

お腹いっぱいに春の恵みを頂いた後は、片付けも全員でテキパキとこなし、流石のチームワークだった。落ち葉の下から咲き出した青いフデリンドウの花達に見送られ、総会へと向かった。(おわり)


    筍と椎茸のお寿司も美味しかったね~           春の若菜摘みご苦労さまでした


参加者:27

飯塚、池田、石川、伊藤、稲葉、猪瀬、及川、小川能男、上林、国木田、小勝、白井、瀧浪、津田、長岡、野間、林、原田、廣川(報告)、福原、藤田、前田、槙田、水木、望月、代田、加藤